Birds

飛行場が昨日までオープンしていなかったことが判明

飛行場が開いた。私は翼を得たのだ。鳥のように自由に飛べる。というか、昨日は飛行場が開いていなかったのか。私たちはどこからこの島に来たのだろう。どのようにこの島へ来たのだろう。

飛行場がオープンするということは、無人島での生活からいつでも現実社会に帰れることを意味している。やがて無人島移住生活から逃れたいと考えることもあるのだろうか。今はまだ考えられない。

多くの人が無人島移住プランへ申し込んだらしい。どうして申し込んだのか、その理由は人それぞれだろう。私の場合は、逃避だった。疲れているのだ。昼も夜もなく働く生活が十数年続いて、気がつけばかなり歳をとってしまった。思い切り遊ぶ暇もないまま若さが走り去っていったのを感じる。そこへこの自粛生活だ。窮屈な毎日にうんざりしていた。しかし、この島での私は若いままで、自由気ままに走り回っている。

もし飛行場から飛行機に乗って元の世界へ戻ったらどうなるのだろうか。私があの世界で最後に見たのは、マスクで顔を覆った人々が無表情で行き交う光景だった。戻ってはいけないような気がする。

海の家な我が家

波の音が心を落ち着かせる。何をしようか考えていたが、そのうち考えるのをやめ、ずっと海を見ていた。たまに魚がはねるのが見えた。そういえばDIYで釣竿を作れるようになっていたな。釣りでもしようか。

穏やかな浜辺で安らかな寝息を立てる、明らかにこの島の文化とは相容れない格好をした白い鳥のようなものが目に入った。

「遭難?」しかし、こんな穏やかな海で遭難する者がいるのだろうか。いや、私が見える範囲の海は穏やかでも、その先は荒れ狂う波がどっどどと船を襲っていることもあるだろう。この鳥は、もしかしたら、私が住んでいた「現実」からきたのではないだろうか。私はなんとなくこの鳥に気を向けることができず、しかし、落ち着かない胸のざわめきを抑えることもできなかったが、釣りをしているうちに忘れてしまった。

新たな鳥だ。そういえばこの島、鳥が急に増えた気がする。

最初はただその辺にいる鳥だが、やがて人間を襲いだすだろう。私は知っている。いつかそんな鳥どもに囲まれたガレージの中、少しのショックで凶暴化する鳥の中を恐る恐る歩いて車に乗り込み、脱出することもあるだろう。襲ってくる鳥は鶏かもしれないし、このミミズクかもしれない。

そんなことを考えながら挨拶してみると、どうやらこのフータなる鳥は私が釣った魚をコレクションしているとのことだ。たくさん釣ってきてほしいという依頼を受ける。

自分では魚を獲れない…!?

飼いならされた鳥なのか。野生の心を失っている。いや、違う。この鳥は喋っている。つまり、これは進化なのだ。飛ぶことや狩ることを忘れ、言葉を喋り、文明を身につけることを覚えた。

この日は釣りに明け暮れた。たくさんの魚や虫を渡したところ、フータはここに博物館を建設することを決めた。島に訪れて1日でこの決断だ。かなりの資産家なのだろう。末長く仲良くしたい。

朝になって、あの白い鳥がいなくなったことに気がついた。あいつは一人で生きられるんだな。

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