The place where lost things go

4月になった。穏やかな朝日に誘われて外へ出ると、島に桜の季節が訪れていた。以前より計画していたお花見スポットは、思惑通り桜のピンクとチューリップのホワイトに囲まれた映えスポットになっていた。

大好きなコーヒーを飲みながら、静かにコーヒーを飲むひとときに幸せを感じる。桜の季節は短い。ここで過ごすひとときを大切にしようと思った。

自然のスポットは少しづつ姿を変える。空の青さが変わると、桜やチューリップもまた異なる表情を見せる。その変化をゆっくり眺めることを、一体私は何年忘れてしまっていたのだろう。そんなスローライフが、傷ついた私の心を穏やかなスピードで前向きに変えてくれた。

自然の変化は良いものだけではない。ある日、この島に雨が降った。私の故郷では桜は雨に流されて散ってしまうのでとても心配したが、この島の桜は何事もなかったかのように咲き続けた。そしてこの雨は新しい命を育んでいた。白いチューリップの蕾が増えていたのだ。

自然とは面白い。予測ができない。この桜のスポットが完成したことに達成感を感じたのは、作り始めた時に思い描いていた形がうまく出来上がったからなのかもしれない。ここは本当に大切なスポットになったのだ。

桜の力強さを住民たちも感じていたのだろう。ドミグラはジョギングのコースにここを加え、ハンナは樹の下で瞑想をするのが習慣になっている。そしてタコヤは桜の香りを感じながらコーヒーを楽しむ時間を持つようになり、ここは人気のパワースポットとなった。

しかし、桜の季節は終わってしまった。元の広葉樹に戻ったこのスポットだが、その青さにまだまだ生命力を感じる。とはいえ、桜の華やかさが恋しい。どこかを探せば、まだ桜の花びらが見つかるかもしれない。いや、それは無駄な考えだろう。

でも、こう思うことにした。桜は失われたように見えるが、今はただ見えないだけで、私より少し先に進んで待っているのだ、と。

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