レ・ミゼラブル2017年版

レ・ミゼラブル30周年らしく、かなり気合が入っており、全体的に泣き通しでした。

  1. 銀の燭台→泣く。
  2. フォンテーヌイジメにあう→泣く。
  3. 夢破れて→泣く。
  4. おれは2465さぁん→泣く。
  5. フォンテーヌ死ぬ→泣く。
  6. コゼットに人形渡す→泣く。
  7. 民衆の歌→泣く。
  8. one day more→泣く。
  9. on my own→泣く。
  10. 花咲かせる→泣く。
  11. ガブローシュ撃たれる→泣く。
  12. bring him home→泣く。
  13. 革命シーンのラスト→泣く。
  14. ジャベール死ぬ→泣く。
  15. すぎたーひびにー→号泣(もうたえられない)。
  16. ラストシーン→泣く。
  17. あーしーたーはぁぁぁあああ→泣きながら歌う。

大快挙!!今回の演出、全部泣けます。見終わった後ミイラになってます。

バルジャンは韓国の俳優のヤン・ジュンモさん。人間の価値観が切り替わる瞬間の演技をとても大切にしているように感じられる、丁寧な演技が印象的なバルジャンでした。歳を重ねるごとに柔和になっていくバルジャンの表情は見事。ナンバーは、Bring him homeがとても素晴らしく、これを聴いたら絶対泣きます。

マリウス役の海宝直人さんは元々好きな役者さんで、ノートルダムの鐘やライオンキングも観に行きたかったのですが、いつも違う方が演じてらして(それはそれで素晴らしいものなんだけどね)、今回久しぶりに、観たい役で海宝直人さんの演技が観られて大満足。

そんなことを考えている中、相葉裕樹さんのアンジョルラスに、「相葉くん…成長すごい…」と謎の目線で涙。シンケンジャーの頃から好きだったよ…。ABCも観たよ…。日生と帝国両方制覇したんだね…。特撮俳優が成長していくのを観るのが好きだったので、興奮してしまった…。でも、死ぬシーンより、マリウスの回想シーンで出てくるアンジョルラスの姿の方が泣けるよ。

全体的に、以前にも増して、役者が各々の役をものにしている様に感じました。子役の女の子でさえもコゼットやエポニーヌを理解して演じているようで、日本のミュージカルのレベルアップを感じずにはいられません。以前は、「日本人がミュージカル?」とか笑う人もいたのですが、これは世界に出しても良いんじゃないかって思える作品になっていましたよ。むしろ、海外から来るミュージカルにガッカリすることが増えてきたような。Kinky Bootsなんて、どう考えても日本人キャストの方がレベル高かったし。

そんなわけで、このレ・ミゼラブル、100回観ても堪えられる価値のあるものになっておりますし、もう自信持って観に行くことをオススメできます。チケットもう取れないっぽいけど!!

ライブ・スペクタクルNARUTO〜暁の調べ〜

人気アニメNARUTOの舞台版。今回はサスケとイタチの話がメインで、二幕からナルトが空気になった印象。サスケとイタチは流石に物語の核だからわかったけど、それ以外のキャラクターの説明がばっさりカットされている点は、前回にもまして意味不明すぎで、「出す必要合った?」という印象です(特にサスケの仲間要らなすぎ)。

前回は、サクラが「ナルト、サスケを連れて帰ってきて」と言う、おそらく原作では名シーンであろう場面の最中に、ナルトがひたすらブレイクダンスを踊り続けると言うトンデモ演出がツボったので、今回もそういう部分を期待しておりましたが、そういう演出は最初の場面程度で済んで、「クライマックスで興醒め」というのは起こらず、安堵。

一方で今回はミュージカル的な演出が増えた様子。宝塚OG3人と良知真次さんがメインテーマのコーラスに加わった時の歌の重みがスゴイ。更に、和太鼓と二胡の生演奏が要所要所に組み込まれ、物語を盛り上げていました。

忍術や口寄せ(巨大な生き物を召喚する技?)のシーンでは、繊細なダンスやプロジェクトマッピング、グラフィックポイを用いたグラフィックスイングが多用され、ジャパニーズファンタジーの世界観を十分に表現していたように思いました。

NARUTOがどんな物語なのかよく知らないけど、良知真次さんが演じたイタチはもう退場なのかなーって思うと、正直もったいないと思いますね。こんなに消化不良なまま退場するとは…みたいな。いや。これはもしかすると、少年マンガでありながら、小林靖子的なゴッツイ部分を持った展開なのか…分からないけど。次回作ではナルトとサスケが本格的にぶつかりそうですね。

次回は何年後だろ…楽しみなんだけど、やるのかなー?

ラ・ラ・ランド

試写会で観たという友人が「ミュージカル映画シュール」と言っていたのを聞くやいなや、「ミュージカルに何を求めてるの?」という説教をする程度に悪いミュージカルオタクな俺が「絶対観たい」と日頃から強く念じていた「ラ・ラ・ランド」ですが、もちろん公開直後に観に行きましたよ。この映画はラストシーンがとても良かったのですが、そろそろ、その部分も含めた感想を書いても大丈夫ですよね?

クラシックな恋愛ミュージカル映画に現代的な配色を加えた本作ですが、その向こう側にはオールドファンを満足させながら、ニューカマーを歓迎するという野心が見え隠れしているようです。アカデミー賞を総なめにした理由もその辺にあるんじゃないかな。一部の有識者たちが「老人たちを満足させたから」みたいな事を言っているみたいですが、それよりも、ミュージカル映画の可能性を再発掘したことや、マーケットを広げたことが、映画界において大きな価値を示したというように感じます。その効果は日本でもあったようで、本作品は春休みの映画興行を牽引しているようです。

『ラ・ラ・ランド』37億円超え異例のヒット 春休み映画興行30億円超え4作 | ORICON NEWS

批評を見ていると、多くの方が「ストーリーが無い」というのですが、「オペラ座の怪人」や「キャバレー」ほどメッセージ性はないものの、「夢を叶える人と夢を見つける人の対比」や「成功と後悔」など、人生における様々なターニングポイントを脚本にのせていますし、ストーリーを追いかけながら音楽も楽しもうとすると、このくらいの情報量じゃないと途中で飽きていたと思います。「雨に唄えば」くらいの軽さのミュージカル映画が好きなので、とても丁度よいと感じました。

ミュージカルっていうのは半分くらいファンタジックな場面で構成されるのですが、映画館でスクリーンに乗っちゃうとか、天文台で空を飛んじゃうとか、そういうシーンの一つ一つがとても素敵にクリエイトされてて大満足です。

こういうのが好きかどうかがミュージカルオタクかどうかの分かれ目かもしれませんね。ミュージカル俳優の山崎育三郎さんがテレビで、「美女と野獣みたいに突然みんなが歌いだしたりしないかなって思う時がある」という話をしていたのですが、そういう「ありえない」「おこりえない」場面を実際に映像に起こすのを面白いと思うか、難しいと思うかがこのミュージカルが受け入れられるかどうかの分岐点だと思います。

ミュージカルシーンが鮮やかに描かれている一方で、エピソードが展開するシーンからは、どんどん色が失われていくので、ミュージカルシーンが印象に残るのかもしれませんね。特に秋から冬にかけては、ほとんどの色彩が失われていたのですが、それはラストシーンの驚きに結びつく演出だったのかもしれません。

そのラストシーンですが、とても濃厚なリプライズの時間になっていて、その演出がとても懐かしさを感じさせる一方で、大胆で現代的なアレンジになっているので、驚きと感動がスクリーンから押し寄せてくるかのようでした。ミュージカルのリプライズは、その歌が最初に歌われた時から状況が変化したときや、同じシーンを別な人から見たときに流れるのですが、このリプライズシーンは、その役割を演出に用いたのでしょう。

この物語は、主演カップルが、夢をかなえる人と夢を見つける人に分かれ、対比する形で展開するのですが、ラストシーンは、それぞれの役割を入れ替えたらどうなっていたかを表していて、最終的に「後悔と未練」が連続して訪れるんですよね。見ている間は涙が止まりません。「もう一曲聴いていく?」と質問されるも、「もう結構」と立ち去るのは、カーテンコールを見なければ夢はずっと続くという、とてもミュージカルらしい悲しく、残酷で、希望に満ち溢れた選択だと思うんですよ。

「ミス・サイゴン」では「映画は夢」と歌いますし、「アメリカンドリーム」は煙のように消えちゃいます。「Wiked」では「思っていたものとは違うけれど、これはこれで幸せ」と歌いますし、「コーラスライン」では「夢を見るチャンスをちょうだい」と訴えます。「ラ・ラ・ランド」は、「でも夢ってまた見つかるでしょ?」という希望的に捉えています。もしかしたら、このお話は、悲劇でも失恋でもなく、現代的なラブストーリーのハッピーエンドなのかもしれません。